【朝日新聞紙上セミナー連動企画】Vol.6 パッシブデザイン

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Vol.6 パッシブデザイン

住む人にやさしく、健康的な家を

image一生に一度のビッグプロジェクトともいえる家づくり。せっかくなら、とことんこだわって、子供から孫へと家族が愛着をもって住み続けられる家をつくりたい。そこで自然の力を有効に使うことで、快適に健康的に暮らせる家づくりを提唱する、住まいと環境社代表の野池政宏さんが「パッシブデザイン」について語る。

住まいと環境社代表
野池政宏さん

のいけ・まさひろ/1960年生まれ。Forward to 1985 energy life代表理事。パッシブデザイン協議会代表理事。著書に『省エネ・エコ住宅設計 究極マニュアル』『PASSIVE DESIGN』、共著に『本当にすごいエコ住宅をつくる方法』などがある。

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地域性に合わせた設計が大事

冬は窓の断熱性を高め
日射を取り込む工夫を

 自然の力をうまく利用して、冷暖房をあまり使わなくても冬暖かく、夏は涼しい。そのようなパッシブデザインに基づく家づくりを具体的に考えてみたいと思います。

 まず冬を暖かく過ごすうえでは、熱が逃げやすい窓の断熱が何より重要です。最近は断熱性の高い複層ガラスや、樹脂や木製の断熱サッシなども普及しています。内窓をつけて窓を二重にすることもとても効果的です。

 南の窓を大きくとり、冬の日射をたくさん取り込む工夫も大事です。ただし窓は大きくした分だけ熱が逃げやすくなり、断熱性が下がります。南側の窓を大きくした分、他の窓は小さくするなどしてバランスをとる必要があります。さらに土壁を使ったり、1階の床の下にコンクリートを入れたりするなど、家の蓄熱性を高める工夫も効果的です。

 夏を涼しく過ごすうえでのポイントは、窓から太陽の熱を入れないようにすることです。南側にひさしをつけることは非常に有効です。夏の太陽は高い位置にあるため、ひさしによって部屋に日光が入ることを防げます。すだれや外付けブラインド、緑のカーテンなども効果的です。いずれにしろ重要なのは、窓の外側で日射を遮ることです。レースのカーテンや室内ブラインドなど、室内で日射を遮ってもあまり効果はありません。

 日光をできる限り遮蔽したうえで風通しをよくすることを考えましょう。風向きは地域や敷地によって異なり、季節や時間でも変わります。まずはどこから風が吹いてきても、部屋を風が通り抜けるような設計が基本です。

地元のことをよく知る
信頼できる会社を選ぶ

 間取りや窓は、その地域でよく吹く「卓越風」を考慮し、夏の夜に室内の熱を外に逃がせるよう配置します。外にせり出すような窓を設置することで、窓にぶつかった風をつかまえて部屋のなかに導く方法もあります。また熱は上にたまるので、2階の上部に窓をつけると、熱が抜けて涼しくなります。

PAK86_engawatoyawarakaihikari20130812500-thumb-1050x700-5068 パッシブデザインについてはまだまだ様々な工夫がありますが、これから家を建てる人はぜひしっかり勉強し、間取りや収納と同じように要望を出してほしいと思います。パッシブデザインをきちんと勉強して熱心に取り組んでいる施工会社と、そうでないところとではかなりの差があります。信頼できる施工会社を選ぶことが何より大事です。そのためにはホームページでパッシブデザインについてもきちんと説明されているかどうかを確認したり、実際にその会社で建てた人の家に連れていってもらい、その家で暮らす人の話を聞くのがベストです。

 気候や日射量、風などは地域によって異なります。気密性や断熱性も、地域によって必要とされるレベルは異なります。パッシブデザインは、そのような地域の特性に応じたきめこまやかな設計や施工が必要となります。そういった意味では、「匠の会」のようなパッシブデザインについてよく勉強され、地元のことをよく知っている地域密着型の工務店さんに大いに期待しています。     (談)

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