第七話【家守り】住まいのメンテナンス~外壁のメンテナンス②

前回の外壁のメンテナンスのモルタル編に続き、
今回はサイディングの外壁に関するメンテナンスについて書いてみたいと思います。

サイディングの外壁には大きく分けて、
①窯業系サイディング
②金属系サイディング
③樹脂系サイディング
④木質系サイディング
の4種類があります。今回はその中でも、多く採用されている窯業系サイディング、金属系サイディングのメンテナンスについて話です。

●窯業系サイディング
サイディングで一番多く使われているのが窯業系サイディングです。セメントをベースに繊維を配合して窯で仕上げた板材のことを指します。耐久性、耐火性に優れていて外部からの衝撃にも強いという特徴があります。
また、デザインやカラーバリエーションも豊富であらゆる外観スタイルに対応が可能です。
耐用年数は、一般的には25~30年といわれています。
窯業系サイディングのメンテナンスは定期的な表面の塗装(塗膜)と
接合部のシー  リング材の打替えが必要になります。

●金属系サイディング
代表的なものはガルバリウム鋼板です。耐食性、耐久性に優れていて窯業系サイディングの1/4ほどの重量なので耐震性も良いとされています。水を吸い込む素材ではないので寒冷地でも安心して使うことができ、素材は35年~40年もつと言われています。
決してさびない商品ではなく、表面についた傷や鋼板の端部などから錆が発生する場合や白錆やもらい錆などがおきることがあるので、塩害地域、工場地帯などが近い場合は注意が必要です。
窯業系サイディングよりシーリング材を使用している部位は少ないのですが定期的なシーリング材の打ち替えが必要です。
表面については10年おきぐらいに錆等がでているかチェックを行ない、必要に応じて塗装を行うのが良いでしょう。

●塗装材の種類
・アクリル塗装材:比較的安価だが耐久性にかける(5~8年)
・ウレタン塗装材:一般的によく使われているが耐久性は少し落ちる(8~10年)
・シリコン塗装材:最近多く使われている耐久性も良い(10~12年)
・フッ素塗装材:耐久性に優れた塗装材、細かいヒビが入りやすいのが難点(12~15年)
他にも、光触媒塗装材や遮熱塗装材など多機能な塗装材もあります。

●シーリング材
・アクリル、ウレタン:比較的安価だが耐久性にかける(5~7年)
・シリコン、変成シリコン:アクリル、ウレタンより耐久性は良い(5~10年)

●耐久性を落とす立地条件
・海が近い(塩害地域)
・山、林に隣接している
・車の交通量の多い道路に隣接している(排気ガスなどで劣化をおこす)

みなさまで出来るチェック項目
・表面にチョーキング現象(チョークの粉のようなものができる現象)がおきていないか
・表面にヒビ、割れ、剥がれが出来ていないか
・表面が下地から浮いていないか
・外壁が反り返ったり波打っていないか
・外壁に藻やカビが生えていないか
・外壁に錆がでていないか(金属系サイディング)
・シーリング材にヒビ、割れ、浮きがないか
・シーリング材に弾性があるか

サイディングのメンテナンス周期を考えると塗装(塗膜)よりシーリングのメンテナンス周期が短いということに注意することが必要です。またシーリングを施工している部位は接続部や開口部の付近など雨漏りが多く発生している場所です。シーリングの早めのメンテナンスが建物を守るうえでも重要になると思います。

「匠の家守り(全13話)」では家のメンテナンスに関する情報をみなさなにご提供させて頂きながら、自分の家を少しでも長く良い状況で住まい続ける基本的な知識を身に着けて頂ければと思います。

次回は「シロアリについて」の話です。
お楽しみにして下さい。