匠の役割〜家守り〜〔全13話〕


第六話【家守り】住まいのメンテナンス~外壁のメンテナンス①~


壁のメンテナンス:1 (モルタル編)

大切な【家】を雨、風から守る重要な役割がある外壁が今回のテーマです。
屋根と同じく直接、風雨や太陽光、外気の寒暖にさらされ劣化の激しい部位です。定期的な点検やメンテナンスを怠ると、雨漏りが起こり【家】にダメージを与えることにつながります。
今回は一般的に多く普及しているモルタル下地、吹付塗装仕上げの外壁メンテナンスについて書いてみたいと思います。

モルタル下地は家を火や風水から守る為の壁と考えてください、そのモルタルはアルカリ性の性質を持ち雨水等の酸性の物にさらされると中性化が進みモルタルそのものがボロボロになってしまいます。
そうならないように表面の塗装で膜をつくりモルタルを保護している状態を維持していくことが大切です。

メンテナンス方法としては定期的な塗装(塗膜)を行うことになります。
塗装の対応年数にはばらつきがあり塗装材の種類、立地条件によっても大きく変わってきます。

 

  • 塗装材の種類

・アクリル塗装材:比較的安価だが耐久性にかける(5~8年)
・ウレタン塗装材:一般的によく使われているが耐久性は少し落ちる(8~10年)
・シリコン塗装材:最近多く使われている耐久性も良い(10~12年)
・フッ素塗装材:耐久性に優れた塗装材、細かいヒビが入りやすいのが難点(12~15年)
他にも、光触媒塗装材や遮熱塗装材など多機能な塗装材もあります。

  • 耐久性を落とす立地条件

・海が近い(塩害地域)
・山、林に隣接している
・車の交通量の多い道路に隣接している(排気ガスなどで劣化をおこす)

  • みなさまで出来るチェック項目

・表面にチョーキング現象(チョークの粉のようなものができる現象)がおきていないか
・表面にヒビ、割れ、剥がれが出来ていないか
・表面が下地から浮いていないか
・外壁に藻やカビが生えていないか

 

 

よくある質問 塗装は何回塗るのが良いですか?」

A:
塗装は、塗る回数を増やせば塗膜が厚くなるのでその分耐久性があがりますが、その分費用がかかります。下地の状況、塗装材の種類にもよりますが、外壁の洗浄、下地処理(クラック、ヒビなど)下地シーラー、中塗り、仕上げ塗りで行うのが一般的であると思います。

いかがでしたでしょうか?

「匠の家守り(全13話)」では家のメンテナンスに関する情報をみなさなにご提供させて頂きながら、自分の家を少しでも長く良い状況で住まい続ける基本的な知識を身に着けて頂ければと思います。

次回は「外壁のメンテナンス2(サイディング編)」についての話です。
お楽しみにして下さい。

第五話【家守り】防水のメンテナンス

 

 

 

大切な【家】を雨、風から守る重要な役割があるベランダ防水が今回のテーマです。

屋根と同じく直接、風雨や太陽光、外気の寒暖にさらされ劣化の激しい部位です。屋根と大きく違うのは勾配が緩い事、人が乗ったりする事です。定期的な点検やメンテナンスを怠ると、雨漏りが起こり【家】にダメージを与え、それに伴う補修費がかさむ事につながります。

今回は、ベランダ防水について解説していきます。
木造住宅のベランダ防水の種類には大きく分けて3種類あります。

①FRP防水
ベランダ防水によく使われている工法です。軽量で歩行用に向いていて耐久性も優れています。
しかし、硬質であまり広い場所には向かない、比較的メンテナンス周期が短いなどがデメリットになります。

②ウレタン防水
場所を問わず使われる事が多い工法です。施工性が良く、改修工事やメンテナンスでも使われることも多いです。
耐用年数が5~10年と比較的短いのがデメリットになります。

③シート防水
耐久性、対候性に優れていてベランダだけでなく広い陸屋根にも使われている工法です。
耐用年数は10年~15年位で、ウレタン防水より比較的長いです。

 

よく使われる「FRP防水」について

ここではベランダ防水で一番多く使われているFRP防水について詳しく書いてみたいと思います。
FRP防水はガラスマットに防水用ポリエステル樹脂を塗り込んだ2層の防水層とトップコートからなりたっています。
防水層は15年~20年持ちますがトップコートが8年~10年でメンテナンスが必要になります。トップコートは紫外線などから防水層を守る大切な部位なので、メンテナンスが必須になります。

 

 

【要チェック】自分で出来る「防水メンテナンス」チェック項目

・表面にチョーキング現象(チョークの粉のようなものができる現象)がおきていないか
・表面にヒビ、割れ、剥がれが出来ていないか
・表面が下地から浮いていないか
・排水口にゴミが詰まってないか
・台風、大雨時に水が溜まっていないか

実はベランダからの漏水事故で一番多い原因は、排水口が塞がった事によるオーバーフローによるものだそうです。台風や大雨が予想される前には、ベランダの排水口のチェックや床の清掃、洗濯物の取り込み等を行うよう心がける事が大切になります。

このページでは家のメンテナンスに関する情報をみなさなにご提供させて頂きながら、自分の家を少しでも長く良い状況で住まい続ける基本的な知識を身に着けて頂ければと思います。

次回は「外壁のメンテナンス①モルタル編」についての話です。お楽しみにして下さい。

第四話【家守り】屋根のメンテナンス

大切な【家】を雨や風から守る重要な役割をしている「屋根」が今回のテーマです。

屋根は直接、風雨や太陽光、外気の寒暖にさらされ劣化の激しい部位です。定期的な点検やメンテナンスを怠ると、雨漏りが起こり【家】にダメージを与え、それに伴う補修費がかさむ事につながります。

ここでは一般的な3種類の屋根のメンテナンスついて説明していきたいと思います。

【瓦屋根】
一般的には粘土瓦とセメント瓦に分けられます。素材の性質に大きな違いがあり、粘土瓦の場合瓦自体に吸水性がないことから塗装等のメンテナンスが必要ありませんが、瓦の下地の防水層(ルーフィング)の張替えが25年~30年を目安に必要になります。瓦自体は既存の物を再利用し、50年~60年後再施工となります。

セメント瓦の場合は素材に吸水性が有る為に10年~15年ごとに表面を塗装する必要があり、25年~30年で新規に吹き替えが必要となります。

素材に吸水性がある場合、水を素材が吸込むこと凍結で割れが生じ、素材の中性化による劣化割れが起こり易くなり、屋根材がもろくなり破損します。

共通して瓦屋根は棟瓦があり、その棟瓦と平瓦の隙間に漆喰が塗られています。棟瓦が崩れないようにする為のものですが、その漆喰は10年~15年おきにメンテナンスが必要になります。その時に一緒に棟瓦を押さえる銅線も交換するといいでしょう。

【コロニアル屋根】
コロニアル屋根は、軽くて建物に負荷を与えない為、大々的に普及した屋根材です。素材に吸水性が有る為に10年~15年ごとに塗装を行う必要があり、25年~30年で吹き替え工事が必要になります。

また、棟等に鋼板を使っている場合、鋼板をとめている釘のチェックを塗装時することをおすすめします。

メンテナンスで、塗装工事を行った後に雨漏りがするようになったと相談を受ける事があります。コロニアル屋根の特性上、板と板を半分ずつ重ねてはっているのですが、塗装をすることでその重なった場所(水の逃げ道)を塞いでしまい、雨漏りしてしまった事例が発生しています。タスペーサーと呼ばれるパッキンの使用や塗装後の材料どうしの縁切りなどの対策が必要になります。

【ガルバリウム鋼板屋根】
鉄の鋼板に亜鉛+アルミ+シリコンのメッキをした物で一部マグネシウムも入っていて耐候性をあげている屋根材です。コロニアルよりも軽く、一般的に塗装等のメンテナンスが必要ないとされて普及されている素材です。35年~40年もつといわれています。

けっして錆ない商品ではなく、表面についた傷や釘を打った付近、鋼板の端部などから錆が発生する場合や、白錆、もらい錆などが報告されています。塩害地域、工場地帯が近い場合や勾配が緩い屋根も注意が必要です。10年おきぐらいに錆等がでているかチェックしてもらい、必要に応じて塗装を行うのが良いでしょう。

 

最後に、屋根についてみなさまでチェックできる事をあげますので、チャレンジしてみてください。

◯地震や台風、強い風が吹いた後など家の周りに屋根材等が落ちていないか?
◯雨や雪が降ったあと樋が垂れていたり、外れていないか?
◯現在加入している火災保険(地震保険)等の補償内容の確認。
※訪問販売等の業者によるチェックでトラブルも増えていますのでご注意ください。

気になる点がございましたら、私たち匠の会までご相談ください。
専門的な立場より、アドバイス致します。

この学び場では家のメンテナンスに関する情報をみなさなにご提供させて頂きながら、自分の家を少しでも長く良い状況で住まい続ける基本的な知識を身に着けて頂ければと思います。

次回は「外壁のメンテナンス」についての話です。

 

お楽しみにして下さい。

第三話【家守り】住まいのメンテナンス~住まいのチェックリスト~

 

住まいのチェックリスト 

大切な財産の【家】を維持していくうえで、メンテナンスは大切なことです。
しかし壊れて動かなくなってからだと修理やメンテナンスでは直す事ができずに、
交換しなければならない場合など、費用が高額になってしまう場合があります。

こうなってしまう前に日頃から建物に住んでいる方がチェックをおこない、
簡単なメンテナンスを行ったり、
使い方の工夫を行うことにより【家】の修繕費を抑えるうえで大切なことだと考えられます。

参考までに一つ、
私たち匠の会会員社が定期メンテナンスで伺うときに使っている、
チェックリスト【家守シート】をご紹介いたします。

続きを読む

第二話【家守り】住まいのメンテナンス~メンテナンスのスケジュール~

メンテナンスのスケジュール  

大切な財産である建物を長く住み続けるには、定期的な点検とメンテナンスが必要になります。例えば、屋根や外壁の張替や塗り替え、水廻り製品のメンテナンス・交換、防蟻処理等のシロアリ対策、内装のリニューアル等、様々な事柄は発生してきます。

今回は、どの位のスケジュールでメンテナンスを行えば良いかをお話しします。

続きを読む

第一話【家守り】住まいのメンテナンス①〜家守りとは?〜

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

百年住宅を提唱する匠の会会員工務店は家を造るだけではなく、
その家を見守る役目【家守り】が大切な事だと認識しています。
これから全13話にて、
家を建ててから大切なメンテナンスの情報をお届けいたします。
第一話は「工務店の行う家守りとは?」どうぞご覧ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

家守りとは

今ではアフターフォローという言葉も使いますが、昔は【家守り】と呼んで、地域の家はその地域の大工さんが守っていました。地元の工務店の家づくりでは、人と人との絆。

“私の家は「あの人」見てくれるから!”
そんな安心感を提供したい!そのような思いで【家守り】をしています。

続きを読む